大根の旬は霜が降りる頃が最高だといわれている野菜。
そう、そんな時期に収穫した大根は瑞々しく、大変甘いのである。
かと云って、そんな大根でありながら味付けは大変難しく、我々の世界では
「大根炊けたら一人前」と云われるほどの野菜である。
そんな簡単そうで難しい大根をプロの技と文明の利器を使って炊いてみた。
まずは短時間で柔らかく炊く方法は圧力釜と水とにがりを使用です。
順序を云えば大根の厚みは4〜5cmの輪切。出来れば中央部分に×の切り目を入れる。
圧力鍋に大根とニガリを入れて圧力がかかればトロ火で30分ほど水煮するのである。
しかし、短時間で柔らかく炊くと云っていたがこれは水煮作業の工程で、実際は3日間を
かけることで、過去に味わったことがない美味さが伝わるのである。
そこまで我慢できるか出来ないかは皆さま次第、出来ない方はこのまま退出されたし。
さてさて、作業に戻りましょう。
圧力釜で水煮した大根は蓋を開けず、鍋が冷えるまでそのままほ放置です。
冷えたら蓋を開け、飴色した大根を大切に取り出しまして、2時間ほど冷水で晒すとニガリの
塩分が抜け、大根の香りがそのまま残るのです。
まるで赤子の肌のような、柔らかい大根に仕上がっています。
さて、まだまだ慌ててはいけません。
大根に含まれた水分を抜くため、穴の開いたパットに優しく置いて水抜きです。
こんな感じでしょうか〜。掌に柔らかさが伝わって来ています。
イワシクジラの本生皮をちょいと使いまして味付けです。これだけあれば十分。
ダシのベースは本節、昆布、イリコ。調味料は酒・味醂・砂糖・塩・薄口醤油。
それに補助としてクジラの皮(霜降りすること)。クジラの入手が難しければ代用食材として、
ブタバラか鶏モモ肉で大丈夫(必ず霜降り作業をすること)。
慌てて炊きますと、今までの作業がすべて無駄になるため、ここで超・超・超注意です。
そう、火加減です。ある程度、鍋が煮立ってきましたら火加減を緩めることです。
ボコボコ、グツグツと云ったような火加減は駄目ですよ〜。
落し蓋の変わりにキッチンペーパーがベスト。
火加減はこんな感じで2時間ほどゆっくり炊きながら大根にダシを浸透させるのです。
ダシが目減りすれば薄めに味付けしたダシを追加すること。
ここでもう一度お伝えいたします、、、、。完成まであと一歩。我慢です。
で、炊き上がったら完成となりますが、鍋が冷めるまでそのまま放置しておくこと。
その理由は、鍋が冷めていく道中、ダシの美味さが大根にさらに浸透し、美味さが倍増です。
これで究極の大根の完成です、、、、バンザ〜イ^^。
完成すれば、温めて食べるのも良し、冷やしたままで食べるのも良し、あなた好みでどうぞ。
また、芥子を好む方はこのダシで芥子を溶いてください。美味いですよ。
エビス亭の場合、一日目は水煮、二日目は味付け、三日目はお客様のお口に、、、。
そんなことでお客様には大変高評価をいただいています。
時間あれば、暇なとき動画でも作ろうかな〜。
実践された皆さまのメール、楽しみにお待ちいたしております。マジで・・・・
エビス亭から